医師が老健で働く前に知りたい―老健医師の仕事内容

施設入所者の医学的管理を行う

介護老人保健施設は、介護を必要とする65歳以上の方を受け入れ、その要介護者たちの介護や看護、機能訓練を行う場所です。

大きな特徴の一つに、医師が常駐し医学的管理を行う点があります。
そのため、医師は常勤で最低でも1人配置することが定められており、老健で働くことになる医師は、施設長としてその責任を果たすことが求められるのです。

医学的管理とは言っても、老健は病院や診療所のような医療施設とは異なります。
病院では診療を行い必要な治療を施しますが、老健では、どちらかといえば健康管理やそれに繋がる指導等に業務は集約され、特別な治療等は行いません。

もちろん手術など大掛かりな措置も行いませんし、もしそうした治療が必要であれば、近くの病院へと入所者へと送り届けることになります。
療養やリハビリ目的で入所している人も多いため、それに必要なことを看護師や介護士、作業療法士や理学療法士に指示したり、あるいはそうした他職種の人たちから入居者の状況を聞き取りながら適切な管理を行っていくことが、老健医師の大きな役割なのです。

この仕事そのものは大変な作業とはなりませんが、入居者の多い施設では情報量が膨大になるため、体力よりも知識や経験などが求められることになるでしょう。

施設長として施設スタッフの管理も行う

医師が老健で働くことになれば、その医師は施設長として役割を全うすることになるでしょう。
求人を見ても、老健医師は「施設長募集」となっているケースが大半のため、その施設の管理の多くを任されることになります。

もちろん大元の設置主体は医療法人や社会福祉法人、あるいは地方公共団体であるため運営等には基本的に関わることはありませんが、例えば、そこで働く職員の配置に関することや人材に関する管理は、施設長に一任されることが多くなっています。

上で挙げた看護師や介護士、作業療法士や理学療法士との連携を密に行い、どのような形で入居者の管理を行っていけば成果が出るのか、あるいは症状が改善するのかなどを考えつつ、医療ケアやリハビリのプランを考えていくことになります。

また、施設長である以上、老健では経理に関する管理等も無視するわけにはいきません。
経理事務作業そのものは事務員に任せることができますが、お金の動きや管理に関しては施設長である老健医師が把握・確認を行わなければならず、こうした点も重要な仕事内容となることは押さえておきたいところです。

入居希望者を受け入れるか決定する

老健は入居できる方の条件が決まっています。
最初に触れたように、65歳以上で要介護1以上であることが原則的な条件となっているのです。

ただ、この条件をクリアしていればすべての人がすべての老健施設に入居できるわけでもありません。それぞれの老健では入居に関するルールが定められていることが多く、それをクリアしていなければ受け入れることができないのです。

入居希望者は入りたいと考えている施設に対して申し込みを行いますが、その際に面談や書類提出などを通じ、入居できるかどうかが判断されます。
これは言い換えれば、施設側が入居希望者を受け入れるかどうか判断できることになるわけです。

職員が会議などを開きこの点について話し合いを行いますが、最終的に判断を下すのは施設長である老健医師。
入居を希望する要介護者を受け入れるか否かの判断、これもこの立場にある医師の重要な仕事であることを覚えておきましょう。