病院と比較。医師が老健で働く際に苦労すること

病院に比べると医療設備が整っていない

病院で働くほど体力や技術は必要とされず、専門分野に特化したスキルも求められない老健医師。
また、勤務時間や勤務日数なども病院と比べればかなり楽な勤務体制となっているため、高齢医師でも務め上げることが可能であるというメリットもあります。

一方で、同じように病院と比べた時に、老健医師が苦労するであろう点や物足りないと感じる部分もいくつか出てくるのかもしれません。

老健は病気などに対しての診療を行う施設ではないため、医療設備が整っていないという現実があります。
治療が必要な場合には入居者を病院等に搬送するので、そもそもそうした設備を整える必要がないわけですが、病院のような設備がないがために検査や診察といった点にすら不便を感じる、物足りなさを感じてしまうことは否めないでしょう。

老健に備えられているのは、あくまでも介護設備です。医療設備ではありません。
この点を認識し割り切れている医師であればさほど大きなハードルとはなりませんが、転職して間もないと、どうしても違和感を感じてしまうことは避けられないはず。
老健ならではの設備や環境に慣れるまでには時間がかかる医師が多い点は知っておいてもいいのではないでしょうか。

医療面でのスキルアップは望めない

繰り返しになりますが、老健は介護施設であり診療を行う施設ではありません。
そのため、臨床医としてのスキルアップは望めないと考えておくべきです。

ある程度の年齢になってから老健へと転職する医師の場合、治療等をほぼ行わない毎日に、物足りなさを感じることも少なくないでしょう。
特に、臨床を通じて経験値を増やし、新たな診療スキルを獲得することに意欲を燃やし続けていた医師にとっては、老健での勤務や業務は寂しさすら感じてしまう環境なのかもしれません。

仮に入居者に何らかの治療が必要であると考えた時にも、病院の勤務医ように、それを行うことができないわけです。
となれば、当然医療面でのスキルアップはもちろん、新たな技術の習得もできなくなります。病院に勤めていれば出会えるような症例とも、まず出会えなくなるでしょう。
それでは医師として働く意味がないと強く感じるのであれば、老健への転職は見送るべきなのかもしれません。

病院よりも求人数が少ない

現在、介護老人保健施設は全国に4,000以上存在していますが、病院や診療所の数と比較すれば全く多くはありません。
老健施設そのものは増加しているものの、ここで働くことを希望する医師も増えているため、病院等医療機関と比べれば、求人数も圧倒的に少ないのが現状なのです。

病院では複数の医師を募集し採用することもありますが、老健では、通常1つの施設で1人の医師の募集しか行っていません。
いわゆる施設長の募集のみであり、同時に2人や3人の採用はまずないのです。
また、一度老健医師となればすぐに退職することも稀なため、求人数が少なく応募機会が多くない点は、まず向き合わなければならない課題となるのかもしれません。

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