老健で施設長として働く―老健で働く医師に求められるスキル

診療科目問わず広く専門を持っていること

医師は、その働く場所や分野によって適性が異なってきます。
同じ医師免許を所持していたとしても、活躍できる場や分野は医師それぞれで異なってくるのです。

老健に関してはどうでしょうか。こうした介護施設で働く医師は、施設の入居者に対して治療を行うケースはほとんどありません。
もちろん簡単な処置程度であれが施すことはありますが、病院で行うような治療はまずすることはないでしょう。
それよりも診察や最初の状況判断といった部分に重きが置かれるため、より広い専門知識を持っていることが何よりも求められることになります。

診療科目は問いません。専門分野云々ではなく、目や耳や触覚などを駆使し、いかに入居者の状態を把握しつつ、あるいは変化を掴み取ることができるか、こうした能力が非常に求められるものとなるのです。

プライマリ・ケアを行うことができる総合診療医であれば、この老健に必要なスキルは備えていると言えるでしょう。
外科系の業務を行っていた医師であっても、こうした能力を有していることで、問題なく老健で活躍することができます。

臨床スキル以上にコミュニケーション力が重要

医師としての知識や経験はもちろんですが、老健施設が施設長として医師を迎え入れる際、最も重視されると言われているのが、コミュニケーション能力や人柄など、その人のもともと持ち合わせている性格です。

老健医師は施設長となり、看護師や介護士など他職種の人たちを取りまとめていかなければいけません。
このとき、コミュニケーション能力に乏しければ、チームとして入居者の介護やリハビリなどにあたることは不可能でしょう。

また、患者との距離感も病院での勤務よりも近くなるケースが多く、さらにはこうした距離感から患者の様子をうかがう必要にも迫られるため、やはりコミュニケーション能力がどれだけあるかによって医師はもちろん、その老健施設そのものの信頼度や入居者の状態にも大きな影響が出てくると考えられます。

例え医師としての腕は一流であっても、対話や意思の疎通に関する能力が欠如していれば、老健医師として働くことは難しいのかもしれません。
裏を返せば、加齢などが原因で技術等には衰えが見えてきたとしても、他職員や患者、入居者等と密にコミュニケーションが図れる人柄があるのであれば、老健施設長として活躍することができるはずです。